Impressions Part_3/3
もう一言だけいわせて「スクープ!」


このレポートを公開して、多くの方々から貴重なご意見や情報をいただいた。そのなかからいくつかをご紹介しよう。

■ 現像ソフトという耳慣れぬソフト ■
こういう技術屋さんの世界は非常に難しく、立ち入るのはおそれおおいのだが、お読みいただいてソンはない。
デジカメが最初に出力するデータはRAWデータというデータなんだそうだ。それをBTMにしたりJPGにしたりして、我々は見ているわけだ。その変換途中に現像ソフトというやつを挿入すると、画像はより美しくなる、とそういうことのようだ。

現像ソフトはChe-ez! SPY-Z、TAKARA PETIT SHOT、 BANDAI F-STYLE mini、DC-30Uなどのおもちゃデジカメを対象に市川ソフトラボラトリーという会社が「SILKYPIX」というフリーデモを公開している。技術解説など読むとわからないながらも勉強になる。
■http://www.isl.co.jp/SILKYPIX/japanese/

ところが、一般的に上記のおもちゃデジカメからRAWデータを取得することはできないと書かれている。「なーんだそんじゃダメじゃん」ということになりそうなものだが、これがまた物知りな人がいて、RAWデータでダウンロードするツール情報も寄せられた。
■http://www.hkael.com.hk/auraland/support/digicam/support1.html
上記サイトからDC30U Digital Camera Installation Software Pack - DC30U_V2.zipをダウンロードすると、それができるんだそうだ(もうワケわかんない)。

このふたつのソフトを具体的にどう使いこなしていくかは「檄辛計画」調理その4.(画質改善)に詳細に解説されている。参照されたい。
■http://kantama.tripod.co.jp/spyz/spyztop.htm

そしてその効果のほどはといえば、これは相当なものだ。正直びっくらこいた。いまだに「現像ソフト」のメカニズムはわからない。だいたい現像ソフトなどという、名称自体ぼくにとってはうさん臭く感じらてならない。

下の写真は、現在マリンタワーで活動中の「にがおえアーチスト」杉山和彦さん(テレビ東京TVチャンピオン経歴者)に協力をいただいて、曇天屋外マリンタワー広場で撮影した比較写真だ。上は標準ソフトで出力したもの、とにかく偽色が激しい。肌もなめらかさが無く、がさがさした感じになってしまっている。もちろん杉山さんのお肌はそんなことはない。にがおえの線画部分も偽色の餌食になっている。
SILKYPIXで現像すると、まるで人間の肌感覚に最適化されているようにまったりとした、高級感のある画像に仕上がった。偽色が激減し、ここでは分からないがジャギーもきれいなジャギー(?)になり、ともなってモアレも目立たなくなった。鼻の部分の白飛びはCMOSセンサの限界なのだろうか、さすがにこれは、どうしようもないようだ。

二つのソフトを使い分け、RAWデータからBTM形式、さらに保管掲載用にJPG形式と、かなり面倒な手順を踏むが、研究材料としては(マニアックな興味としては)大変面白く、デジカメ写真の勉強にもなる。
いずれの写真も比較しやすいように若干、色補正した。このとき撮った写真もフルサイズでこちらに掲載した。

比較写真
(2002/11/25現在)


■ すくなくともSPYZはMacOS Xで認識する ■
Scoop!がマックOS8.6で認識して大喜びしたが、MacOC Xでは非対応とされているSPYZが、OS Xでも認識したという情報ページを見つけたので紹介する。ただしScoop!での確認はなされていない。ぼくはMacOS Xの動作環境を持ち合わせていないので…。
それにしてもこの調子でいけばScoop!もMacOS Xで認識できる可能性は高い。
■http://karasu.net/
メニューからUsefu>Che-ez!をOSXで使いたい、を選択。

(2002/11/24現在)


■ そこそこの品質といえるかな?Scoop! ■
このレポートの一番最初におもちゃデジカメ購入の条件として「サブとしてどうでもいいような超お気軽感覚のデジカメが欲しいが、画質はそこそこの品質を求めたい」という趣旨のことを書いた。
しかしScoop!がそのレベルに達していないという、ご意見も少なくなかった。具体例をあげて、ご指摘いただいたケースを一部引用しよう。

Scoopの実写画像はジャギーやモアレが目立つ(例えば赤れんが倉庫の南側はモアレが盛大にあり、その向こうに見えるベイブリッジの支柱は、真ん中で分断されているように見える)ので、「そこそこの品質といえるところまでは達していない」というのが正直な感想です。(中略)
真剣に「お金をかけずにそこそこの画質を手に入れる」ことを考えるなら、6,000円でトイデジカメを買うよりも、1万円で「状態のよい、エントリークラス(あるいは2世代ぐらい型落ち)のデジカメの中古を買い求める」方が理性的な選択だと個人的には思います。

このご指摘には、根性無いけれど、こんなふうにお答えした。

当初ぼくはトイデジカメに「超お気軽感覚のデジカメが欲しいが、画質はそこそこの品質を求めたい」という条件を課していましたが、それは素直にひっこめます。何枚も何枚も撮っていて、 同様の印象が強くなってきました。

これは偽らぬ正直な感想だ。そして議論の矛先を少し変えて、こんなふうに結んだ。

負け惜しみではないのですが、トイデジカメにもとめる条件を考え直したんです。ひとつ目は個性です。あんなデジカメ、持ってる人少ないですよ。いまだかつて見たことありません。それを自分だけが持ってるという喜びが、「コンテストに出す作品じゃないんだから、画質は、まぁこっちおいといて…。」という気にさせてくれます。「なになに?それそれ」ってみんないいますよ。
二つ目は、被写体との新しいコミュニケーションです。ひとつ目の延長みたいなもんですが、「グリコのおまけさ」といってパチリ「写らないくせに〜」。そんなふうに撮った写真は今までにない表情が写っています(画質はいただけないですが)。そして、Scoop!は、写真には画質以外にも大切にしなければならない要件があるとぼくに教えてくれました。
作品を発表する場がどこか、誰に見せるのか?という本質的な問いに答えないまま、写真を撮っていたと、ふと気が付きました。

(2002/11/24現在)




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